Education教育
教育内容
建築学科(学部)の学習・教育目標
建築学科(学部:4年間)の教育・研究は、さまざまな人間活動や地球環境時代の社会的要請に対応した建築のあり方、生活空間のあり方を考えるとともに、それを形成する技術・理論体系の構築を目指しています。そのために、以下に示す学習・教育目標を掲げ、基礎学力から応用力をつけられるカリキュラムを編成しています。下記のそれぞれの目標に対応する必修科目、選択要望科目、選択科目が用意され、大学院へとつながる教育・研究体制が整えられています。
人間性
- みずから主体的に学修する態度とそれに必要な能力
- 他の分野の人々と協働して課題解決にあたる能力
創造性
- 複眼的に思考する能力
- 創造的な問題解決能力
国際性
- 異なる文化の人々と外国語で意思を通じ合える能力
- 文化、思想、価値観の多様性を受容するとともに、多分野にまたがる地球的課題を理解する能力
- 個性を発揮する能力
専門性
- 幅広い見識と基礎となる工学的素養と理解力
- 「計画」・「構造」・「環境」という建築の基礎的学問領域の知識
- 現実的課題に対応する具体的解答を導き出す「空間デザイン」の能力
- 専門知識を活用して豊かな社会の創出に貢献できる能力
建築学科の学習の流れの特徴として、入学直後から、建築学の専門的な学習を開始することが挙げられます。高等学校での学習内容を基盤として、専門的な学習に着手することで、早い時期から、建築家・建築技術者の職能への関心を持ち、より具体的に自己の学びの目標を定めることが可能です。並行して、人間性・社会性の向上ならびに技術者としての基礎力・資質を形成する学習を行い、専門と基礎を往復しつつ、高度に専門的な学びへと至ります。建築学科では、学習意欲が高く、なおかつみずからの学びを積極的に探求する学生のための特別な科目も用意し、主体性・独自性・多様性を重んじた教育を行います。
建築学専攻(大学院)の学習・教育目標
大学院博士課程前期課程建築学専攻(修士:2年間)では、「計画」・「構造」・「環境」という建築の基礎的学問領域のより高度な知識を習得し,これらを総合して現実的課題に対する具体的解答を導き出す「空間デザイン」の能力を備えた人材を養成します。大学院生は、入学時から下記いずれかの講座に属する教員の指導のもとで研究に着手します。特に、修士論文作成過程において、研究に対する方法論を修得し、高度な能力を有する技術者あるいは研究者として、未知なる課題の解決能力を養います。なお、神戸大学はワシントン大学、天津大学等の諸外国の大学と国際交流協定を結んでおり、建築学専攻ではこれらの大学で修得した単位の読替認定も行っています。当専攻でも、毎年1ないし2名が留学しており、国際感覚を身につけた大学院修了生を世に送り出しています。
大学院博士課程後期課程建築学専攻(博士:3年間)では、「計画」・「構造」・「環境」という建築の基礎的学問領域に対応した理論の構築と深化を目指し,国際性を有する高度な専門知識を備えた人材の育成を目的とします。
講座の構成
建築学は、日常の生活から社会生活に至る様々な空間や領域を創造していくことを目指しています。その目標は、環境としての快適さや利便性、安全な強度を確保するという従来必須の要件だけでなく、近年では環境に配慮した持続的発展を考慮した創造が求められています。かつてのように造り続けていくことだけに重点を置くのではなく、人間とその社会が過去から現在に至るまで営々と築いてきた人間環境を継承しながら、より広く地球や自然環境との共生を図りながら新たに創造していくことが求められています。建築学科・建築学専攻は、そのような人類永遠の課題を踏まえつつ、建築単体だけではなく、地域空間から都市空間、さらに地球環境に直結するエコロジーをも展望することのできる人材の養成を目指すための教育研究を行います。このため、空間デザイン、建築計画学、建築構造工学、及び建築環境工学の4講座を設置しています。
空間デザイン講座
建築・環境デザイン、構造デザイン、構造・情報システムおよび建築マネージメントまでの空間創生のための総合的・実践的なデザインに関する教育研究を行います。
建築計画学講座
建築史、建築論、歴史環境の保全修復計画、人間居住と住宅・地域計画、建築・都市防災と建築計画、都市計画の基礎理論に関する教育研究を行います。
建築構造工学講座
様々な災害に対する各種建築構造物の安全性・早期復旧性の向上を目指した構造設計法や性能評価法、振動制御構造、高性能・高機能材料の提案・応用などに関する教育研究を行います。
建築環境工学講座
建築物における音、熱、空気、光などの環境の解析と制御に関する教育研究を行います。